【ハイレゾ基礎知識】iTunesでハイレゾ対応させても不安が残るデータサイズ

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【ハイレゾ基礎知識】iTunesでハイレゾ対応させても不安が残るデータサイズ

以前iTunesでハイレゾ環境を整えようとして色々調べた結果、『iTunesはハイレゾ対応している』と言うことが判明しました。Apple社が策定した音楽データのファイルの形式である、AIFF形式やALACなどと言った形式では、ファイルの形式上はハイレゾ音源の収録が可能な形のファイル形式になっているし、無圧縮のWAV形式も再生可能です。

ただ、その扱えるファイル形式などが限定的で他のハイレゾ対応の音楽再生・管理ソフトと比べると、ハイレゾ対応の面に限って考えれば、機能面で劣る部分がある、と言うことも明らかになっています。iOS11で対応すると言われていたFLAC形式はファイルとして認識はするもののiTunesというアプリケーションの中ではファイルとして認識していません(今のところ)。
それゆえ、多くのハイレゾ音源のダウンロード販売サイトが採用している「FLAC」形式のファイルを直接扱うことが出来ず、また話題のMQA形式やDSD形式にも未対応と言う状況ではあります。

まぁ、とは言え、過去死ぬほどCDリッピングしてデータを取り込んでいるという観点から、メディア再生のプラットフォームとしてiTunesの優位性は引き続いて有るものと思われますし、将来のハイレゾ環境に備えて引き続き足回りをしっかり整えておこう、というのが今回の主旨です。
もちろん、他の音楽再生アプリであっても共通するテーマである「ハイレゾをダウンロードしまくったら容量足りるかしら?」を考えたいと思います。

①その前にもう一回ハイレゾの復習

ハイレゾとは「High(高い) Resolution(解像度)」のこと。ハイレゾ音源は「High Resolutionな音源」つまり「高解像度の音楽データ」のこと。デジカメ写真で言うならば、画素数の多いカメラ、または高解像度のカメラで撮った写真のようなもの。

「CDスペック」:44.1kHz/16bit、48kHz/16bitのサンプリングレート
「ハイレゾ音源」:44.1kHz/24bit、96kHz/16bit、192kHz/24bitなどのサンプリングレート

上のグラフで言えば、原曲の音信号は波形を描いていますが、CDにデータとして取り込む際にデジタル信号に変換して(=図のように波形を切り取って)記録する訳です。

それゆえ出来るだけメッシュを細かくしてオリジナルに近づけるのが大事ではありましたが、同時に人間にとって聴き取れない超高音域などまで記録しているとデータ容量が大きすぎて当時のメディア(=CD)に入らないこともあり、通常の生演奏であれば40,000Hz(ヘルツ)まであるものを、CDにする際に22,000Hzまでとしている訳です。人間に聞こえない範囲の周波数をカットしているんですね。かつ、当時のカラヤンがベートーベンの交響曲第9番が収まる74分をメディアサイズとしてSONYと取り決めた、という歴史があります。

CDのスペックは「44.1kHz/16bit、48kHz/16bitのサンプリングレート」と書きましたが、サンプリング周波数は、「標本化」とも呼ばれ、1秒間に何回のサンプリング(標本化)したか、を表しており、細かくすればするほどより正しい音の姿を表現できます。またビットレートは、「量子化」とも呼ばれ、音の大きさを無音から最大音量までを何段階で再現したか、を表しており、音のダイナミズムを伝えるためのモノです。

つまりグラフのメッシュをヨコ項にサンプリングレート、タテ項にビッドレートで表現していく、ってことなんですね。

ハイレゾ音源は、この部分の数値を高くしていくことでオリジナル音源に高めていく、ということ、なわけ。

②音楽のデータサイズとは?

平たく言うと、下記の計算式でざっくり計算が出来ます。
『ビットレート(bps)=サンプリングレート(Hz)× ビット深度(bit) ×2』

1秒間あたりの音楽のデータ量のことはビットレートと呼ばれます。ビットレートは、サンプリングレートとビット深度を掛けたもので、「bps」で表されます。たまにデータ転送とかで見たことがある単位ではないかと思います。

これをCDサンプリングレートとハイレゾ環境で単純比較してみた計算結果がこちら。
(あくまでラフな計算ですのであしからず)

もちろん、ハイレゾのサンプリングレートであってもファイル形式によってファイルサイズは異なります。ハイレゾ音源のファイル形式は、その音源がCDと同じ「PCM方式」か、SACDと同じ「DSD方式」かによって違います。

そのうちPCM方式によるファイル形式は下記の通りです。

【PCM方式の代表的なハイレゾ音源ファイル形式】
・WAV
・FLAC

【DSD方式の代表的なハイレゾ音源ファイル形式】
・DFF
・DSF

DSD方式のファイルサイズはココでは割愛しちゃいます。
だってiTunesで再生できないしw。と言いながら後述のNASはDSD形式も対応しており、再生アプリをiTunesにしないでおけば楽しむことは十分に可能です。

③大容量データをどう取り扱うか

結局、ここがハイレゾ環境を構築するにあたって、一番のキーポイント。
クラシック愛好家であればCDなんて軽く1,000枚は超える方が多数おられるでしょうし、そうなると、さらに今後はハイレゾでダウンロードして、なんて考えると通常のPCのHDDをベースとした環境では不足感が否めません。

そうなると『ネットワークオーディオ』という選択肢しかないのでは?と最近考え始めています。イメージ図としてはこちら。


NAS(Network Attached Storage)と呼ばれる外付けハードディスクに音楽ファイルを保存し、ネットワーク・オーディオ・プレーヤーで再生する方法です。
設定が面倒ですが、いったんNASに音源を落とし込むように出来れば、あとは自在に音源を再生するだけで楽しめます。

とは言え、じゃあナンボの記憶容量が必要か?
これはもうNASの価格とのご相談にならざるを得ず、オーディオ用NASとしてI-OデータとBUFFALOがそれぞれNASを発売しているので、こちらをひとつのベンチマークとすることは可能です。

大抵は1TBまたは2TBが基本。
4TBだとしても2TBx2でバックアップとしていることが殆ど。

①I-O DATA ネットワークオーディオサーバー

I-O DATAは『Soundgenic』というブランドを展開しておりオーディオ用NASとしての一定の地位を確立しています。
“Soundgenic(サウンドジェニック)はメディアサーバー機能とUSB-DAC接続プレーヤー機能を備えたネットワークオーディオサーバー「Soundgenic」。
信頼という名のオーディオブランド「fidata」で培ったソフトウェア技術を惜しみなく投入。
CDもハイレゾも取り込みから再生まで快適な音楽環境を実現!”
オーディオ専門誌でも良く取り上げられています。

②BUFFALOネットワークオーディオサーバー

メルコの中核企業であるBUFFALOがPC環境やストレージ関連で名を知られるように、DELA はメルコが高品質なオーディオ専用製品のために開発したブランドではあるものの、NASとして猛烈に高いので(オーディオ機器として考えれば大したことは無いが)、BUFFALOブランドから発売されているオーディオ用NASをご紹介。

③DELAネットワークオーディオサーバー


一応どんなものか把握するために。価格は上記ふたつと比較して全く異なるレンジ。

さぁ、どういう環境、サイズがお好みとなるでしょうか。

それでは、また次回。

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