『楽興の時(Moments Musicaux)D.780』by Franz Peter Schubert
①楽興の時、とは何か?
楽興の時。
Moments Musicaux。
Momens musicals。
19世紀に主としてピアノ曲のジャンルで広まったキャラクター・ピース(性格小品)の一種、と言われているが、そんなことよりも、なぜこのタイトル、このフレーズなのか、ですよね。まぁ、実際シューベルトが名付けたかどうかは不確かだと言われていますが。
楽興の時の意味とは?そもそもなんて読むの?
「がっきょうのとき」と読むようですね。
「音楽の瞬間たち」がフランス語的な直訳である。
何を意味しているか? 楽興とは?
実はどこにも載っていないのですよね。楽興の語義について。
「音楽が生まれた瞬間」とも取れるわけですが、おそらくは「音楽が閃いた、インスパイアされた瞬間」のメロディを集めたもの、と解釈するしかなかろう、と言われています。
②どういう曲なのかしら?
そのうち第3番ヘ短調が有名でよく知られているところ。
これをヴァイオリンに編曲したものが、今回の課題曲なのですね。
アレグロ・モデラート、4分の2拍子。6曲中最も知られている。シューベルトの存命中から愛好され「エール・リュス」(ロシア風歌曲)として有名でした。この曲をLeopold Godowskyが複雑にアレンジした曲がピアニストのアンコールピースによく使われています。
非常にシンプルなきょくなのでリファレンス音源、というよりも、こういった演奏が出来たらステキだな、というのを挙げておきましょう。
③いちおうソロでのレファレンスを
ギル・シャハムがこの曲をラシック・ギターの名手セルシェルとともに録音した『Schubert For Two』の中に、この「楽興の時」が納められています。
豊かな音色で楽しめる1曲となっています。
ま、そんな感じでまた次回。