前回、工芸品の域までに達しているのではないか、として取り上げた赤間板金の『RAIN SPEAKER』。結局ふるさと納税の期限を過ぎてしまったので、また再度仕切り直しで注文しようと思っている今日この頃ですが、ブログのアクセスが相当数この記事で上がってきており、なにがしかの注目度が有るのかな?と思うようになってきました。
→【美しすぎる】ふるさと納税でもらえちゃう工芸品『RAIN SPEAKER』
まぁ、確かに猛烈に美しいスピーカーですものね。
落ち着いたオーディオルームに置くことが出来たらなぁ、と思いますが、中々そんな家庭事情ではない訳で、そこが悩ましいところではあります。
『クラシックを心地よい音量で聴きたい』
日々、佇まいを正してオーディオの前に正座してバッハやベートーベンを有難く拝聴し、ブラームスに涙して、ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスに圧倒される、そんな一部のクラシックマニアを除き、基本的にはそこらへんの音楽と変わらず、場の雰囲気や空間を埋めるためのひとつのツールとして音楽が存在する、と仮定しましょう。
即ちBGMにもなりえるし、耳を傾ければちゃんと楽しめるほど良い音量、と言うことになります。ここのコントロールが難しいのですが、いわゆる大迫力、音圧や音像を捉えるためにクラシックを楽しむのであれば、これは正統派のスピーカー、アンプ、としてプレーヤーを整えるべきとは思います。
でも、徹底して吟味して買いそろえたアンプやスピーカー一式をフル稼働させず、結局近所迷惑になるから、とイヤホンジャックで楽しんでしまう、そんなことであればDACコンバーターとポータブルヘッドフォンアンプさえあれば良かったじゃん、と言うことになりかねないパターンって意外と在りそうじゃありません?
程よい出力、音像であれば充分なんです、と言うご要望に沿っている(はずである)RAIN SPEAKERではありますが、やはりきちんとスピーカーを鳴らして楽しみたい、というのが基本前提になります。
それよりも、もう少しこじんまりとした、ひっそりとした音楽の楽しみ方。
でもヘッドフォンで楽しみたい訳ではなくって、空間の中にある音楽を楽しみたい時。
そんなご要望におそらくマッチする画期的な商材がひっそりと売られています。
その名を『アタッチャブルスピーカー』と言います。
元々の原理は詳しくは明かされていないものの、圧電スピーカーを応用したものと思われます。圧電スピーカーとは、平たく言うと圧電セラミックスと金属板が二枚合わせになっており、電圧のコントロールにより圧電セラミックスが伸び縮みすることで金属板が振動することで音を得る仕組みですが、ところがこれではせいぜいブザー等が良いところ。音楽を聴けるようなシロモノではありません。
原理的には、電圧でセラミック自体が動き、接触している物に音の信号を伝える構造となっていて、現在主流のスピーカーは電磁石やコイルを使う電流駆動方式で、薄型化や低価格化が難しいという環境下、セラミックは重低音に弱い欠点があるものの、反応性が高く音切れがないうえ、電磁波も出さないというメリットがあります。
この圧電スピーカーの根本的な問題(音楽を聴けるようなシロモノではない)について、京都にある栄進電機というベンチャー企業が開発したこの『アタッチャブルスピーカー』では技術的に解決したそう。
同社ではセラミックの圧電体に早くから目を付け、本格的な小型スピーカーシステムへの応用に不可欠なアンプを独自に開発しました。設計や部品の工夫でマッチ箱の半分程度まで小型化を可能にしていて、フィルター部品を搭載し、さまざまな騒音も除去しています。この音を制御するアンプとスピーカーという2本柱のコア技術の組み合わせが『アタッチャブルスピーカー』なんですね。
この『アタッチャブルスピーカー』はさまざまな物体に張り付けて使うことが出来るので、机や箱などに張るとその物自体がスピーカーに変わり、コンポやテレビなどの音を発する仕組み。この仕組みを用いて同社では聴覚補助器に「骨伝導スピーカー」として販売しているとのこと。いわゆる超高価な補聴器の代替ですね。
そして、この不思議なスピーカーを、弦楽器のミュートに乗せて改造したものが世に販売されていると聞き、色々調べてみました。
調べた結果わかってきたのは、この商材を、クラシックの弦楽器用のミュートに乗っけるという発想の転換で、弦楽器のボディをスピーカー代わりに鳴らそうと言う仕組み、なんですね。
この見事に仕立て上げたのは、弦楽器の販売・調整を主とする「古賀弦楽器」。
そのすごさは下記Youtubeの投稿動画を見て頂くだけで充分かと思います。
実際触ってみると結構な振動がこの圧電スピーカー方発生していることが分かります。
それだけにHPには「長時間再生させ続けることで、楽器の弾き込み効果を期待する」とあり、実際効果があるんじゃないか?と思える感じがします。
長きに渡り眠っていた楽器などは、突然奥底から引き出して弾くと余りの鳴らなさに愕然としますが、こういったアイテムでシーズニングすると良いかも!?という気がします。
幾つか古賀弦楽器とは違うサイトで実際に鳴らしてみた(アコギだったり、バイオリンだったりと楽器はまちまちですが)と言うレビューがあり、やはり効果はあるようです。
こりゃあ、早速購入ですね。
RAIN SPEAKERと並べて豊かに鳴らしたい時はそちらを選択、とか良いかもしれません。
となると、オーディオシステム考えないとな、とかいろいろ考えちゃいますね。
ということで、また次回。