【iTunesってハイレゾ対応していたのね】手持ちのシステムでハイレゾ音源を楽しむ

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昨日の投稿でiTunesというよりもiPhoneやiPodがハイレゾ対応していないことをクロージングの部分で述べさせていただきました。

→【基礎知識のまとめ】オーディオ機器を買うにあたってハイレゾのイロハ

実際は、現行バージョンのiTunesは実はハイレゾ音源に対応しています。
ただ、その扱えるファイル形式などが限定的で他のハイレゾ対応の音楽再生・管理ソフトと比べると、ハイレゾ対応の面に限って考えれば、機能面で劣る部分があります。

いまのところ最新バージョンのiTunesでは、ハイレゾ音源はApple独自のロスレス圧縮方式の使える「ALAC」形式か、無圧縮の「WAV」形式のみ。
多くのハイレゾ音源のダウンロード販売サイトが採用している「FLAC」形式のファイルを直接扱うことが出来ません。話題のMQA形式やDSD形式にも未対応と言う状況。

従って多くのハイレゾ音源を楽しみたいと言う方々は、FLAC形式の音源データは、一度、ALAC形式などに変換する必要があります。
そのために最適なアプリは既に世の中に出回っていますので、最初にiTunesに取り込む作業に追加の一手間が必要となりますが、そこさえクリアしてしまえばあとは他の曲と同様にiTunesでの楽曲の管理が行えますが、これがメンドクサイw。

まぁ、そこら辺はココでは割愛して(おいw)、どうハイレゾ音源と仲良くなったら良いのでしょうか。。。

①そもそも音楽をスピーカーを鳴らして聴いているのか?

ココですよね。よっぽどしっかりしたオーディオルームなどが無いと、スピーカーをしっかり鳴らして音楽を聴いたり、なんて意外としていない、ってことがあり得る。
ってことで、ココではヘッドフォン/イヤフォン環境で楽しむことを前提とします。

 

②ヘッドフォン/イヤフォンはハイレゾ対応なのか?

厳密にいえば下記ロゴが添付されていようがいまいが、高音質のヘッドフォン/イヤフォンであれば音源を楽しむことが出来ると言えます。実はここが一番重要で、ハイレゾ音源でなくても、高音質のヘッドフォン/イヤフォンであれば充分にクオリティの高い音楽を楽しめる、というちょっぴり矛盾した状況も生まれるくらいなのです。
(だからこそ通常音源しかなかった時代でも、スピーカーマニアやヘッドフォンマニアが存在して、聴き比べ!とかしていた訳で)。

ちなみに、このロゴを打てるのはメーカー又は販売者が、日本オーディオ協会の会員であること、です。そのうえで、アナログ系機器(ヘッドフォンを含む)は、40kHz以上の高域再生性能を持つ事という基本スペックを提示しつつ、相応のクオリティーが確保されていることが前提としてロゴが打てますよ、とこういうわけです。

『日本オーディオ協会は『ハイレゾリューション・オーディオ(サウンド)の取り組み』を発表し、その一環として以下のハイレゾロゴを発表しました。このハイレゾロゴは、これからのハイレゾ再生時代を見据えて、日本オーディオ協会が定めた一定の性能・品質を満たしたオーディオ製品に対して付与されるもので、ヘッドホン・イヤホン製品にも当てはまるものです。ハイレゾロゴが付与されているかどうかは、カタログや製品のパッケージ、本体上にあるロゴで確認することができます。
ハイレゾロゴが付与されているヘッドホン・イヤホン製品は、ユーザーが最新のハイレゾ音源を含むあらゆる音源を試聴することを前提とした商品企画や開発が行われているだけでなく、日本オーディオ協会が定める基準に基づく評価方法を採用することで、現代のヘッドホン・イヤホンに求められている性能を持つことを意味しています。』

日本オーディオ協会(法人会員リスト/2017年12月9日現在)
https://www.jas-audio.or.jp/about/overview/corporate-member-list

ってなわけで、たとえば会員リストに無い「BOSE」とかはあれだけ高品質な音響システムを作っていてもハイレゾのロゴは打たない(打てない)。

このあたりに企業戦略が透けて見えてきます。
Bluetoothをベースの技術としてワイヤレスが主流の欧米に対し、復権を睨んで高品質な音の再生技術とデータ圧縮技術、そしてその再生ハードウェアで勝負をかける、って感じでしょうか。ま、勝手な想像ですけど。
というても、Bluetoothで接続できるハイレゾ対応も出てきていますし、一概にはいえないですけどね。

結論として、ハイレゾロゴが有ろうとなかろうと、試聴していくのが良かろうと思うわけです。その結果として、お財布と耳との相談で、結局1万円以上のヘッドフォンあたりに落ち着く、というのが大体の相場観w。

 

③結局キモはデジタルからアナログへの変換なのか?

オーディオの基本の「キ」として、プレーヤーからアンプを通じてスピーカーに信号が流れて音楽が再生されるというフローをイメージしてみましょう。

その中で、アンプとはパワフルにスピーカーを鳴らすために音の信号を増幅させる役割を持っています。
スマホや音楽プレイヤーなどのデジタル機器にはヘッドフォンアンプが内蔵されているので、イヤフォンを繋ぐと音を聴くことができます。
しかし、スマホや音楽プレイヤーはコンパクトさやバッテリーの持ちなどの重要性が高いため、内蔵されているアンプの質はあまり高いものではありません。要は電池の持ちを長くするために省エネタイプになっている訳ですね。

音楽が聴ければいいやというような安いイヤフォンなら、それでも全然オッケー!、と充分だったりもするものですが、そこそこお値段の張る高価格帯ヘッドフォンやイヤフォンだとスマホや音楽プレイヤーの内蔵アンプだけでは力不足になることもあります。
力不足というのは、音量的な問題もありますが、音像を形作る時に奥行きのない平易な再生であったり、そういったところに関わってきます。音質の良い録音であっても、鳴らし切れていない、という表現になるのでしょうか。そんな感じ。

そこで充分なパワーを持った質の良いアンプをプレーヤーとイヤフォンの間に挟んで信号を増幅させる、というワザを使います。これによって出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換しつつ、その能力を最大まで引き出し、音質向上を行うことができる、って芸当が可能になります。
このアンプを小型に(ポータブルに)したものがポータブルヘッドフォンアンプ(以下:ポタアン)でございます。なんかこのポタアン、最近の音楽好きは結構持っていたりします。
接続方法は簡単で、プレーヤー側のイヤフォンジャックとアンプに接続して、アンプからイヤフォンジャックで楽しむ方法(アナログ接続)、またはUSBやLightningケーブルなどからデータ出力して、アンプでアナログ変換してイヤフォンで楽しむ方法(デジタル接続)。
アナログ接続は、プレーヤー側のデジタル機器で変換された音のデータをポタアンに送り、ポタアンからヘッドフォンへと音のデータを送ることになり、この場合だとプレイヤーとポタアンのヘッドフォンアンプの回路を2回通ることになってしまいます。
ポタアン側で音の味付けを行なったりするのでアナログ接続でも音質向上はしますが、デジタル接続ができるポタアンならポタアン側でクオリティの良いDACで処理を行なう事で、高い音質向上の効果が得られるわけです。

ん?DAC処理?
DAC(ダック)とは、Digital to Analog Converter( デジタル-アナログ変換回路 )の略で、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路の事です。

デジタルデータである楽曲をスピーカーで聴くためには、まずデジタル信号をアナログ信号に変換しなければならないので、スマホや音楽プレイヤーには必ず内蔵されているものですが、 DACも音質を左右する大切なパーツなのに、デジタル機器に内蔵されているDACも質の高いものではない場合が多いのです。やっぱり持ち運ぶにあたってはバッテリーの持ちって死活問題ですからね。

DAC搭載タイプのポタアンなら、プレイヤーのヘッドフォンアンプの回路やDACを通らずに、ポタアン側のヘッドフォンアンプとDACに無加工なデジタル信号をダイレクトに送り込めるちう算段です。
アナログ接続よりも変換ロスが少なく、質の良いアンプとDACで音の信号を加工する事で、質の良いアナログ信号をヘッドフォンに伝える事ができる。 ただしDACを駆動するパワーも必要となるのでポタアンのサイズも大きくなるという、やむなしの構造。

でもこれで、ハイレゾ音源のみならず、通常音源でも充分に楽しめるシステムを構築できた、とも言えるわけです。

要は、ポータブルに活用しなくたって、PCからのデジタルデータをポタアンにぶち込んでイヤフォンで聴いたって良いわけです。

これはいいなぁ、と。クラシックなんて生音至上主義な訳で、たとえ古い録音であっても、その時代のエンジニアたちがしのぎを削って高品質な音像の記録にこだわり続けた、そのデータを耳元で楽しめるなんて、贅沢な時代じゃないですか。

と思う今日この頃です。
さてさて、そろそろ年賀状を書かなくちゃ。

ということでまた次回。

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