遂にクリスマスがやってきますね。
毎年、クリスマス近くになると浮足立って落ち着かなくなります。
ウキウキしていた子供時代のマインドが染みついているのか、街の景色や人々の雰囲気に影響されているのか、それは自分でも分かりませんw。どちらもあるかもしれませんが。
せめてこの季節だけでも平和であってほしいなぁ、と願うイベント大好き日本人の端くれとして、クリスマスイブは表参道にでも繰り出しましょうかね。
表参道のクリスマスイルミネーションは日本の冬の風物詩の最たるもののひとつ。
表参道(おもてさんどう)は、明治神宮の参道のひとつで、現在の都道413号線のうち、青山通りから明治神宮(原宿駅前)の神宮橋交差点(明治神宮)に至る区間が表参道に相当する。その周囲から、地下鉄・表参道駅周辺までを含む一帯のを表参道エリアと呼んでいて、住所では東京都渋谷区神宮前および東京都港区北青山・南青山のそれぞれ一部が該当します。
歴史的には、1919年(大正8年)に明治神宮の造営に合わせて、その参道として整備された大通りが「表参道」。街路樹のケヤキ並木でも知られ、大正時代に植えられた元もとのケヤキは、東京大空襲によって1945年(昭和20年)に大部分が焼失、現在生育しているケヤキの大部分は1950年(昭和25年)頃に植えなおされたものです。ただし、表参道ヒルズ前などの合計11本は戦火に耐えた樹木であり、樹齢90年を超えているものもあるそうな。
ちなみに、表参道があるなら裏参道もあるの?という質問にはYesでありNo。
神宮創建当時は、明治天皇を記念して表参道と裏参道の2本の参道が同時に建設されてして、裏参道は乗馬道として現在のJR中央本線の信濃町駅や千駄ケ谷駅方面から続いていたのですが、戦後に首都高速道路の一部に変わったためになくなっちゃったのですね。
とまぁ、いろいろな歴史のある表参道ですが、色々先達は思いを巡らし「表参道は冬至の朝、明治神宮から起点の青山通りの交差点方向に向かって、道路の延長線上から真直ぐ太陽が昇る設計になっている」としたそうな。
そんな表参道は、いまやイルミで飾られ、イブはおおよそ神が通ると言いうよりか、恵比寿様が通る参道というか、布袋様が通るというか、まぁそんな感じ。
クリスマスイルミネーション(例えば今年は2017年11月30日(木)~12月25日(月))は、表参道の沿道、明治神宮入口から青山通りまで約1kmのケヤキ並木を電飾するイベントです。もともと1991年(平成3年)に地元の商店振興組合が主催したものでしたが、イベント性のある集客と言う効果以上に、おしよせる見物客による交通渋滞や歩道の混雑、ゴミが散乱するなどの諸問題のため1998年(平成10年)で中止になってしまいました。
その後は同会の主催で、2001年(平成13年)年末、2006年(平成18年)年末が単発で行われた程度でしたが、都心の各エリア中心地がイルミで飾られるようになると、2009年(平成21年)年末からケヤキ並木への本格的な電飾が復活、いまや50万個の電飾(LED)がいやがおうにも気分を盛り上げるオーラを放ちます。
本日も大入りで混んでいました。
写真は表参道A1出口から表参道ヒルズへ渡る陸橋から(12時ごろ、16時ごろ)、そして陸橋はイルミネーション点灯とともに渡れなくなってしまうため、地上から18時ごろ撮影。
こういったクリスマスのイルミの発祥の地はドイツと言われています。
諸説あって、16世紀に宗教改革者のマルチン・ルターがクリスマスミサの帰り道に夜空に輝く星空をバックにそびえ立つツリーに感動して、ツリーにロウソクを星に見立てて飾り、それが絵画と言う形で広まったという説、永遠の生命を象徴する常緑樹に、ロウソクだけでなくいろいろなオーナメントを吊るし、ツリーに宿る守護精霊に祈りながら、その周りを歌い踊る習慣があったという説。いずれにせよ、ツリーにロウソクは危ないということで、エジソンの電球発明以降は電飾によって取って替わられます。
そんなドイツのフランクフルトやニュルンベルグなどではクリスマスマーケットの光を中心にとても賑やか。
かつて、こんな賑やかなクリスマスマーケットで大事な品物を手に入れて、大切な人にいち早く届けたい、と荷馬車とかソリを急がせる、みたいなシーンを想起させるクリスマスにうってつけのコッレリの名曲がこちら。
アルカンジェロ・コレッリ『合奏協奏曲集 作品6‐8 ト短調』
Arcangelo Corelli, 『12 Concerti Grossi, Op.6‐8, G minor “Christmas Concerto” (Concerto grosso fatto per la notte di Natale)』
コレッリ自身最終章のパストラールに「キリスト降誕の夜のために」と記しているように、彼の信仰に基づいて書かれた協奏曲で、敬虔さと崇高さに溢れた名曲となっています。キリスト降誕の夜のために作曲したと言うだけあって、クリスマスの真夜中のミサ用の曲として作曲されており、キリスト降誕の夜の雰囲気を表すためにの「パストラール」という牧歌的な曲が本題を表す曲ではありますが、個人的には第1楽章から第2楽章にかけての美しい響き、旋律と第3楽章の暖かいメロディーがこの曲を新曲足らしめていると言っても過言ではないかと思います。
前回はコレッリのラ・フォリア、そして合奏協奏曲6-1を紹介しましたが、それだけじゃない名曲揃いなのですよね、コレッリ。恐るべし。
→ 【バロック中期の傑作集その1】アルカンジェロ・コレッリ『合奏協奏曲集 作品6‐1ニ長調』
→ 【新しいヴァイオリン教本】第5巻 ~ ラ・フォリア(La Folia)~
→ 【鈴木バイオリン指導曲集/スズキメソッド】第6巻~ ラ・フォリア(La Folia)~
もともと旋律が美しい作曲家であるのに加えて、現代にも通じる古臭さのない洗練された響きは、最も影響を与えたとされるヴィヴァルディとも異なるし、神懸かった時のバッハにも通じる旋律の流れと和声進行の丁寧な扱いがコレッリの特徴ですし、現存する曲数は少ないけれど、まぁ、そのなかでも生き残っているこの合奏協奏曲集は、言ってしまえば彼にとってのプラチナディスクみたいなもの。
なので、欧州ではコレッリって今でも人気のある作曲家のひとりであり続けるのですね。
そんな彼の合奏協奏曲集の中から第8曲目。
アルカンジェロ・コレッリ『合奏協奏曲集 作品6‐8ト短調』
Arcangelo Corelli, 『12 Concerti Grossi, Op.6‐8, G minor』
まずはコレッリの母国、イタリア合奏団の演奏から。
イ・ムジチの演奏もステキです。コンマスがフェリックス・アーヨならではの目の詰まったレガートな演奏が極上に美しいのですが、オルガン付きゆえにここでは外しました。
そう考えると、イ・ムジチ同様に豊かでかつ奥行きのある弦の鳴りを楽しませてくれる合奏団となると、イタリア合奏団かなぁ、と。
そしてこの曲の魅力を存分に聴かせてくれるという点では、イタリア合奏団のはるか上を行く演奏がオルフェウス室内管弦楽団(Orpheus Chamber Orchestra)の録音から。
これはですね、正直ハンパない演奏になっていて、これ以上は無いでしょ、というもの。
大好きです。正直言って。
本来は古楽なので、古楽器による演奏もアリなのであれば、下記ですかね。
もういきなり第2楽章からw。
Trevor Pinnock指揮、The English Concert。
Violino I: Peter Hanson
Violino II: Walter Reiter
Violoncello: Jane Coe
というところで、サンタさんが来るといいですね。
メリークリスマス!
それでは、また次回。