『クラヴサンのための舞曲集 作品1よりアレグロ』ジョゼフ=エクトル・フィオッコ
「Pièces de Clavecin」by Joseph-Hector Fiocco (arranged by Norman O’Neill)
ジョゼフ=エクトル・フィオッコ(Joseph-Hector Fiocco、1703年-1741年)は、ベルギー生まれの後期バロック音楽の作曲家でありチェンバロ奏者。
アントワープ大聖堂の聖歌隊長などを務めたのちに1737年にブリュッセルに里帰りし、聖ギュデュル教会の聖歌隊長に就任するが、それから4年後に夭逝した、と言われています。
この作品はフランス語でクラブサン(チェンバロ)のために書かれた舞曲集に原曲が含まれる。これを19世紀末~20世紀初頭のイギリスの作曲家であり指揮者であったO’Neill, Normanが編曲したもの。原曲は24曲から成るが、それを抜粋してヴァイオリン用に編曲している。これがスズキメソードの教本に取りあげられ、ヴァイオリンを学ぶ生徒にとって必須、かつ人気の曲となっています。
まぁ、確かに快速なテンポでありながら歌心があり、そして美しいメロディが流れるという点で、ヴァイオリン小品集に収録されるレベルのステキな作品と言えます。
と同時に、ある程度手の形(ボックス)がしっかりしてくれば案外鳴りやすい、結果弾きやすい音型であり、それほど構造上、或いは旋律上で難儀することは無い曲なので、ひたすらに美音を求めてさらい込むのが吉の曲でもあります。叩き込めばステキなレパートリーになりますからね。
①アルテュール・グリュミオー(Arthur Grumiaux)
②イツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)
どちらもステキな演奏ですが、リファレンスとしてはやはりグリュミオーかしら。
ほんとパールマンの音色って独特というか、まぁ誰しもが独特の音色を持つのですが、楽器を鳴らして弾く、という以上に何かひとひねり、ふたひねり音作りに何かが影響しているように思わせる何かがありますよね。マネできないというか。
グリュミオーの美音だってマネできないですけどw。
ま、そんな感じでまた次回。
(2018年2月13日改訂)