【新しいヴァイオリン教本】第5巻 ~ ベリオ コンチェルト第7番 第2楽章~

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ベリオ コンチェルト第7番 第2楽章

Violin Concerto in G major, Op.76
(シャルル=オーギュスト・ド・ベリオ(Charles-Auguste de Bériot)

 

『フランコ・ベルギー楽派』

シャルル=オーギュスト・ド・ベリオ(Charles-Auguste de Bériot, 1802年‐1870年)は、ベルギーのヴァイオリニストであり作曲家。
パリでジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ、ピエール・バイヨに学んで、各地を演奏旅行した他、1843年よりブリュッセル音楽院のヴァイオリン教授を務めた。優雅かつ流麗な奏法で知られる19世紀のフランコ・ベルギー楽派(the Franco-Belgian violin school)の創始者として有名であり、アンリ・ヴュータンを育てています。

(育てたって言っても、数年のうちに女と駆け落ちして放置プレイの刑に処しているのでどこまで育てたんかという思いはありますがw)

このフランコ・ベルギー楽派(the Franco-Belgian violin school)って何よ?についてはオーギュスタン・デュメイ(DUMAY, Augustin)のところでも書いたけれど、も少し詳し比べてみると、わんさか出てくる出てくるw。

シャルル=オーギュスト・ド・ベリオ(Charles-Auguste de Bériot, 1802年‐1870年)
→アンリ・ヴュータン(Henri François Joseph Vieuxtemps, 1820年‐1881)
→ウジェーヌ=オーギュスト・イザイ(Eugène-Auguste Ysaÿe, 1858年‐1931年 )
ナタン・ミルシテイン(Nathan Milstein, 1903年‐1992年)
~ジョーゼフ・ギンゴールド(Josef Gingold, 1909年‐1995年)

という流れ。錚々たるメンバーがずらり。
フリッツ・クライスラー(Fritz Kreisler, 1875年‐1962年)
ジャック・ティボー(Jacques Thibaud, 1880年‐1953年)
ジネット・ヌヴー(Ginette Neveu, 1919年‐1949年)

あとは昨今でも超有名な大家のみなさま。
アルテュール・グリュミオー(Arthur Grumiaux, 1921年‐1986年)
オーギュスタン・デュメイ(Augustin Dumay, 1949年‐)
ジャン=ジャック・カントロフ(Jean-Jacques Kantorow, 1945年‐)

もちろん時が経つにつれ、様々な流派が混ざっていくのでひとえに流派を語り切れませんけれど、影響を受けている、とは言えるでしょう。
音が柔らかで艶やか、弓の運びはとても滑らかであり、ボウイングの切れ目を感じさせない、どこまでも音の旋律線が続いていくようなイメージを持たせることで、流麗、典雅、高貴、といった雰囲気をまとう音楽を美徳とする、と言われています。

いわゆるボーイング、弓の持ち方、こういったものが異なるのだと。
曰く日本で言うところの「鈴木メソッド」がそれに近いと言われたり(言われなかったり)、教本には「切れ目なく良い音で弾きましょう」って書いてあるようにも記憶しているけれど、鈴木メソッドの生徒さんがフランコ・ベルギー派の雰囲気をまとっているかと言えばそうではなくw。

 

『①モノラル録音で本場の歌いっぷりを感じてみる』

 
1885年ペルー生まれのMaud Powellによる旧世紀初頭(1904年~1917年)の演奏。
日本で言えば謳いに近いものを感じますが、これが旧来は当たり前だったのだなぁ、と言うことは頭の片隅に置いておく必要があるかな、と思い筆頭に挙げさせていただきました。

 

②その上できちっとしたオケによる協奏曲を聴いてみる』

 
かたや完全にモダンな、1997年生まれの辻彩奈がNaxosに録音したベリオ。
かっちょいい。

 

『③とってもいい演奏のレファレンスCD』

 
なかなかに歌いっぷりもステキだし、テンポもよい。
ついつい思い入れを持って聴いてしまう、というか曲が良いからなのですが、その曲に対して思い入れを持って演奏しているのかな、と思える1曲です。

ということでまた次回。

 

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