こんなオーケストラがあったらいいな① ~『オーケストラをつくろう(オケつく)編』

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『はじめに』

昨今クラシック音楽の低迷が嘆かれて久しい。
各世代の社会学者や音楽学者たちが激論を交わしているので、議論の内容は割愛するとして、要約すると世の中一般に低迷の理由として言われるのは大まかには三つ、ということらしい。

ひとつめは、19世紀後半から20世紀にかけて、完全に聴衆そっちのけで、現代音楽に邁進してしまったこと。

ふたつめは、そうやって売れない現代音楽はニッチマーケット狙いになり、クラシック音楽は古典芸能化して保護の対象となったこと。

みっつめは、産業音楽とポップスが台頭したこと。

そんな環境下でクラシックの復権ではないけれど、「クラシックよもう一度」があったって良いじゃない、って思う今日この頃。
ブログがバズるように、クラシックがバズったって良いわけ。

そんな夢とも妄想ともつかないアイデアを具現化するための「こんなオーケストラがあったらいいな」をこれから何日かに渡って幾つか殴り書きしてみようとおもいます。

このアイデアに経済合理性があってヒットする要素があるなら、面白いな、と思うワケですよ。

まずはオーケストラをゲームにしてみたら?ってやつです。

①『その前におさらい』

1991年に発足した通称Jリーグのブームとともに、TVゲームの世界においてもかつて流行った「ファミリースタジアム(ファミスタ)」「熱血パワフルプロ野球(パワプロ)」のようにサッカーゲームが流行した。代表的なものに「ウィニングイレブン(ウィイレ)」などがある。さらに海外進出する日本人プレーヤーが増えることで海外リーグを取り込んだ「FIFAシリーズ」が流行した。このどれもが自らプレーを楽しむ形式だが、サッカーならではの双方向(攻撃と守備の切り替えの早さ)、反射神経やスピード感が求められるゆえに、攻守のはっきりした野球ゲームをとは違う難しさがあった。
そこで当時のセガ(SEGA)は1996年に新ジャンルであるスポーツ育成シミュレーションゲームとして「プロサッカークラブをつくろう(通称サカつく)」を発表した。
これ当時のハードウェア「セガサターン」で発表され、画期的な要素が盛り込まれ大いにウケた。3作目からは当時のセガが誇るハイスペックマシン「ドリームキャスト(ドリキャス)」で発表され、ワールドカップ進出などもありヒット作となっている。
同時期の1998年には「プロ野球チームをつくろう(やきゅつく)」がサカつくに続くスポーツ育成シミュレーションゲームを発表、これまたヒットしたというゲームなのです。

基本的には、以下の3要素から成り立つゲームなんですな。
①資金運営や施設の建設といった「経営部分」
②スタッフや選手を揃える「人事部分」
③所属する選手を育成したり試合前のオーダー決定や選手交代といった「戦略部分」

チーム育成が成績(勝敗)に影響し、この成績が自チームの収入、つまりは経営にも影響することとなり、さらに街づくり、街おこし的な要素を追加したりして、経営シミュレーションゲームと育成シミュレーションゲームの要素を併せ持つ画期的なシステムでした。

これにより自チームがJリーグを勝ち抜き、アジアカップを勝ち抜き、そしてトヨタカップ的な世界統一戦を勝ち抜き、世界ナンバーワンの地位を勝ち取ると同時に、自身は日本代表の監督としてワールドカップにも参戦する、、、という永遠に終わらないストーリを味わえるゲームなだけに、永遠に終わらず朝を迎えるとかよくやりましたわいw。

ここ昨今はハード(今ならPlay Station 3とか)に固執しにくくなってきているので、スマホをベースにしたモバイルオンラインゲーム化していると聞きます。この育成シミュレーションゲームのはしりから、「ダビつく」(ダービー馬を作ろう)とか「キャバつく」(キャバ嬢をつくろう)に至るまで、あらゆるゲームがこのフォーマットに乗せて制作されたワケですよ。

②『それならオーケストラ作ってみようよ』

コトバの響きって大事じゃないですか。いきなりですけど。
そんな時に「オケつく」(オーケストラをつくろう)なんて、あたかも昔からあったようなゲームの響きがしませんか・・・しないかw。

街おこしから始まった地方のアマチュアオーケストラ。
そこの音楽監督として就任、団員の練習メニュー(テクニック、アンサンブル、アナリーゼ、休息)、メンバーのセレクション、演奏会のアレンジ(プログラムにおける人気度と芸術性のバランス)、批評家や新聞に対するコメントによるオケのモチベーション鼓舞やイベントの設定などによるレベルアップの機会設定。。。
知名度と観客動員数の向上に伴うオーケストラ収入とスポンサー収入の向上、これにより法人化してフランチャイズ契約のホールを持たないプロオーケストラとして、数々の客演指揮者やソリストと共演することで実績を積み全国各地を転戦する。。。
そうしていくうちにコンサートホールとフランチャイズ契約、これにより更なる観客動員数を目指していくと同時に、有数なプレーヤーを揃え世界で戦えるオーケストラを目指す。。。
さらにフランチャイズではない、自前のコンサートホールを建築、世界的な巨匠とともに演奏旅行、CD録音及び発売などを通じて更なる拡大を目指す。。。

でもこれをただのゲームで片付けたらもったいないな、と思うワケ。
昨今AI開発も進んできた訳だし、レジェンドだらけのスーパーオーケストラを組んで、その演奏を楽しめたりしたら、ステキじゃない?と思うのです。
日本で言えば、サイトウキネンオーケストラがそうなのかもしれないけれども、あれはあくまで現役。
そうじゃなくてネット上でよくある「メジャーリーガ最強打線を組んでみた」とか「リーガエスパニューラのレジェンドイレブン発表」とか、なんかこっちが妄想力膨らませて、過去の実績と選手の相性と技術力をデータ化して、夢のチーム編成を組んでみたり。そんなレジェンド選手ならぬレジェンドプレーヤーを揃えた「サカつく」的な流れで「オケつく」みたいな。
過去の演奏データファイルと音質記録から、例えばフルートは「ゴールウェイとランパルの組合せ」とか、コンマスは「ゲルハルト・ヘッツェルで」とか。
当然指揮者も選択制で、カラヤンとかバーンスタインとかを選んで、曲目を選んでヴァーチャルな演奏を生成してCDまで作ってくれるような、そんなレジェンドだらけのオーケストラが最終的に作れる「オケつく」。そういうの、あっても良いじゃないですか、と。
どうせ生演奏に触れる機会なんて知れている訳ですし。

どうですか、セガさんw。

てな感じで、また次回。

こんなオーケストラがあったらいいな① ~『オーケストラをつくろう(オケつく)編』” への2件のコメント

  1. […] 昨今クラシック音楽の低迷が嘆かれて久しい・・・という書きっぷりから、ゲームでオーケストラを作ってみたら面白いんちゃう?という流れで妄想してみた「オケつく編」は完全に妄想ですがw、そうやって発想を自由にしてみると、クラシック音楽ってものすごい制約条件がありまくると思いませんか? […]

  2. […] ①『オーケストラをつくろう(オケつく)編』 ②『エレクトリックオーケストラ(爆音オケ)編』 ③『サマソニクラシック(オケフェス)編』 ④『シネマオケ(劇伴音楽)編』 ⑤『地下鉄(メトロ)に乗って編』 ⑥『UEFA(チャンピオンズリーグ)編』 […]

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