『Violin Concerto No.23, 1st movement, G-dur(ヴァイオリン協奏曲第23番ト長調)by Giovanni Battista Viotti』
ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ(Giovanni Battista Viotti, 1755年~1824年)は、イタリアのヴァイオリニストとして名を馳せた人物。モーツァルトの1歳年上という世代に生まれ、モーツァルト、ベートーベンにも影響を与えたと言われる。
特にこの世代では多作と言える29曲のヴァイオリン協奏曲を残しており、特に第22番イ短調、第23番ト長調は現在でもヴァイオリンを学ぶ生徒のみならず演奏会でもなお取り上げられている。
イタリア人独特の歌心や抒情的なパートは、ドイツ系の作曲家には無いものを持っており、あのブラームスもヴィオッティの協奏曲を好み、友人のヨアヒムに頼んで何度も弾かせた、と言われている(「弾かせられた」という記録が残っている)。
ヴィオッティは、名ヴァイオリニストのプニャーニの下で学び、さらにマリー・アントワネットに仕えた。時代はフランス革命、仕えたマリー・アントワネットが断頭台での斬首刑となり、主を無くした彼はロンドンに赴き活動を継続。ロンドンではハイドンとの交流もあった模様。
何よりもヴィオッティは「フランス・ヴァイオリン楽派の基礎を作った“聖三位一体”と見なされている」ピエール・ロードやピエール・バイヨを教え、ルドルフ・クロイツェルに大きな影響を与えた実績から、ヴィオッティは19世紀のフランス・ヴァイオリン楽派の創設の父と呼ばれている。
さらには当時のヴァイオリンの弓を製作していたフランソワ・トゥルテとともに、現在の一般的な弓の形を作り上げた、とされており現代のヴァイオリンの奏法を確立する大きな役割を果たしている。さらにはニコロ・パガニーニに影響を与えたアウグスト・ドゥラノフスキ(August Duranowski)も教えていることから、パガニーニは孫弟子にあたるという、まぁどえらいヴァイオリニストなのである。
まぁ、ブラームスがガンガンヨアヒムに弾かせたというのは第22番のようで、今回のは第23番なんですけどねw。
聴いてて思うのはオケが導入部を朗々と歌い上げていくのに、結構な時間を費やしていくこと。つまりは独奏vs伴奏オケ、からオケの立ち位置が少しずつ重要なポーションを占めるにまで至っていく、というところかしら。
もう一つ紹介しておきましょう。
ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲が勢ぞろいの珍しいバージョン。
CD収録容量の問題から実力をキレイには反映できておらず曲順はまちまち。それもまた良きアレンジと思える。
とは言え、これをクリアしてもココロ休まる時なんて訪れる訳はなく、ヴィオッティの次にまたもや難関のローデが現れるのです。
てな感じでまた次回。