【新しいバイオリン教本】 第4巻 ~ コンチェルト イ短調 No.1 by Accolay ~

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『コンチェルト イ短調 No.1 by Accolay』

ぶっちゃけ神曲である。

この『新しいヴァイオリン教本第4巻』は余りにもステキすぎる曲が2曲ある、というだけでシアワセ感じてしまうのだが、静の”Andante Religioso”とするなら動の”Concert by Accolay ”として世に広めてもバチは当たらないと言えるのではないか?と素直に思う。

この曲はもともと猛烈にメロディックでしかも難易度的にそこまで難しくないこともあり人気な曲のひとつ。ここはコンチェルトらしくオーケストラの伴奏、しかもパールマンの見事なソロで堪能するのがよろしかろう、ってものです。ホントにステキなソロ。
しかもパールマンの良くも悪くもクセがこの録音では余り見られない、というのがリファレンス用としても最適。

「快く、伸びやかな楽曲。豊かな表現力とは最もシンプルな技巧から生まれる、という音楽の大いなる逆説のひとつを明らかにしている。」(”Itzhak Perlman Concertos from My Childhood” CD notes-輸入盤-)

例えたった1曲でも、後世に渡って愛される曲、というのは本当にステキ。

Accolayは本名をJean-Baptiste Accolay (1833 –1900、ベルギー)といい、まさにこの『ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調」(1868年作)でその名を知られている。ただしAccolayは実在した人物なのか?には諸説あり、イザイの高弟で、「イザイ弦楽四重奏団」のセカンドヴァイオリンを1899年まで務めたマシュー・クリックボーム(Mattieu Crickboom、1871~1947年)、あるいは同じくベルギー人ヴァイオリニストであり当時最高のヴィルトゥオーゾであったアンリ・ヴュータン(Henri François Joseph Vieuxtemps, 1820年~1881年)のペンネームではないか、という説もある。
この頃のヴィルトォーゾは、言ってしまえば自作自演のコンチェルト、小品を多く書いている時代であるがゆえ、ペンネームを使用しなければならない理由ははっきし言って無いと思うのだが、まぁそう言う説もある、と言うことで。

エジソンが蝋管録音機(phonographs)を発明したタイミング(1877年)までは、録音というものは世の中に存在せず、それゆえに一度きりのライブ演奏が全てであった時代。その後ピアノロール(piano roll)が10年後くらいに出てくる程度で、いずれにしても録音技術は広く普及はしていない。そんな時代には、一瞬で聴衆の心を鷲掴みにするメロディーと、きらめくようなテクニックがもてはやされていたのかな、と思うとヴァイオリンのヴィルトォーゾ達のスター性って、今でいうならばアイドル級の人気を誇ったのであろう、と言うことは容易に想像がつく。

そんな時代にAccolayのメロディがどれだけのインパクトを持って迎えられたのだろう、と想像するとワクワクしちゃうのである。

ってなところでまた次回。

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