『高いポジションをひくための練習。楽曲と音階とはそれぞれ別にまとめてあり、両者の組合せで効率のよい勉強ができる。』
これが新しいヴァイオリン教本の第4巻のテーマ。
のっけからニコロ・パガニーニの肖像画とも写真ともつかない画像が現れ、えらく長い馬面にビビらされる。そうしてパラパラとめくっていくと現れる第1曲目。
『ホーム・スイート・ホーム』by H. Farmer
おそらくどちらも同じ音源で演奏者は「篠﨑功子 & 長与咲子」のはずだがLawfame Violinの方は演奏者が不明となっている。まぁ、この辺りはナゾである(価格も高いし)。
iTuneでは販売されていないが天満敦子の作品の中で『≪ホーム・スウィート・ホーム≫の主題による変奏曲』という題名で録音を残している。
もともとこの「Home Sweet Home」はイギリスの舞台音楽作曲家であるHenry Bishopが作曲した『Clari, Maid of Milan 1823年英米初演』(オペラ「ミラノの乙女」)の導入部のアリア似て歌われるもので、これをアメリカのジョン・ハワード・ペイン(John Howard Payne, 1791 – 1852)が作詞した。このオペラは1823年にコヴェント・ガーデンおよび二ューヨークで初演されたが、このなかにこの歌が何度も出てくるので、人気となった。
日本では唱歌『埴生の宿(はにゅうのやど)』として知られている。
ただこのH.Farmerがおそらくは編曲者として扱われるのだろうが、何者か不明な状況であることは変わりがない。
『Home Sweet Home』にて検索しても、なかなかクラシック音楽は網に引っ掛かってこないのが世の常であり、大体アメリカのHMバンドであるモトリー・クルー (Mötley Crüe)の名曲『Home Sweet Home』が出てくるのはやむなしか。
日本ではLAメタルと呼ばれ(現地ではHair Metalとか呼ばれている)、全米だけでアルバム総売り上げ2500万枚以上、全世界で8000万枚以上を売り上げている。ドラッグやアルコール依存によるトラブル、事件事故、ゴシップ等枚挙に暇がない。
クラシックの世界から見れば全く異次元(一般人から見ても異次元)だが、残した楽曲は80年代の雰囲気を見事に描き切った楽曲が多く秀逸。2015年を持って、ツアー活動を終了することを正式に発表し、2015年12月31日の最終公演を最後にバンドとしてのツアーはしていない。
と、全く関係ない方向にまた話が逸れちゃいましたね。
この【新しいバイオリン教本】 第4巻の詳細、収録曲は以下。
編著:兎束龍夫、篠崎弘嗣、鷲見三郎 編
出版:音楽之友社
価格:1,512円
【曲目】
1 ホーム・スイート・ホーム 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:ファーマー
2 ロッシーニの主題によるエア・バリエ Op.89-2 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:ダンクラ
3 アンダンテ・レリジオーソ Op.70 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:トーマ
4 コンチェルト イ短調 No.1 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:アッコウラ
5 ソナタ ト短調 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:エックレス
6 ソナタ No.2 ト短調 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:ヘンデル
7 春の海 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:宮城道雄
8 アダージョ KV261 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:モーツァルト
9 オベルタス(マズルカ) Op.19 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:ヴェニャフスキ
10 ソナタ イ長調 【ヴァイオリン/伴奏:無伴奏】
作曲:ヴィヴァルディ
さらっと書いていますが、3巻あたりまでは「ま、何とかなるかな」というレベルであったものからとたんにソロっぽくなります。いわゆる技巧的になって来るので、まともにやったら結構難しいカデンツァだったり、フラジオレットだったりと言った譜面ヅラ的に「ん?」という箇所が増えてくる訳です。
そして譜面を読んで音像が思い浮かぶ人はいいですが、チンプンカンプンなひとにとってはココロが折れ始めるのがこの第4巻だったりします。そんな時に耳コピしようとして教本に付随する(実際は付いてくるわけではなく買わなくてはならない)CDが以下。
ぱっと聴いたところで、もちろん参考にはするのだけれども、もう少し別の音源無いのかしら?違うヴァイオリンの音も聴いてみたいなぁ、と思う方も多いかと。かく言う自分もそうでしたもの。
ところが、なかなかこの4巻はレファレンスとなるような音源は上記の監修を受けたもの以外になかなか見つからないというのが実態。それでもなお、めっけもんの音源が有ったりするからステキですよね。
ということで、引き続き探していく所存です。