アゴ当てから異臭が放たれているんですけど・・・ということでアゴ当て(チンレスト)を研究してみた。

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アゴ当て(チンレスト)が異常に臭い。フィッティングパーツで悩んでみるの巻。

夏が過ぎ、クーラー付けなくても何とか寝ることが出来る季節となりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

なんか、前から気付いてはいたんですが、敢えてやり過ごしていたというか、気にしないでいたんですが、昨今アゴ当てが異常に臭いんですよね。まぁ、苦い香りとかそういうのではないので周りにご迷惑をお掛けしてはいないと思いますが。
やはり長年の血と汗と涙の結晶の蓄積が染み込んで、明らかに異臭を放っているとしか思えない。しかもアゴ当てを固定する金属部分はどう見ても白サビならぬ青サビ(これって毒性有るんじゃなかったっけ?※)が拭けないところにこびり付き、なかなか落とせないときたもんで、明らかにコレ、アカンやつやん!?と思うようになりました。
(※毒性は有りますが大量摂取しない限りは問題無さそう)

Yahoo知恵袋で検索してみたところ「アゴ当ては洗えばよい」というコメントを見たのですが、木材製品を水洗いって怖くね?と思いますし、アルコールティッシュはニスを剥がしそうで怖いし・・・。というかすでに過去何回かトライしていまして、拭けば吹くほどアルコールティッシュが真っ黒になっていく様を見て、「あぁ・・・これはアカン」と感じていたのは事実です。

こうならないようにするには、
1)ハンカチ等で当て布をして直接接触を防ぐ
2)力を入れて挟み込まず、また弾いた後は綺麗に拭く
3)前述のアルコールティッシュで拭く(※)
4)「最早これまで」ならば交換する
(※アゴ当ては外して拭いた方が良いです/アルコールはニスを痛めます)

とは言え、ハンカチ等当て布しても、実は長時間弾くと布地が皮膚に食い込んで結構痛かったりします。タオル地なんてもってのほかw。ここはおススメの方法があるんですが、それはまたの機会で。

んで、力を入れて挟み込まない、とは言っても幼少の頃より叩き込まれたフォームってなかなか直せないもので、大事なところ、難しいところはやっぱり挟み込んで弾いている訳です。んで、それが馴染んでいるから結局そのスタイルに落ち着いてしまう。

んで、綺麗に拭ているとはいえ、すでに染み込んだ色々な結晶が有る訳で、こればっかりはどうしようもない。

と言うことで、交換してみることにしました。

ココでアゴ当てのおさらい。
そもそも日本語では通称「アゴ当て」「顎当て」と呼ばれていますが、正しい英語表記では「Chinrest」(チンレスト、Chin=アゴ+Rest=休め)と言うそうな。
またアゴ当てのみならず、ペグやテールピース、こういったパーツをトータルコーディネートすると統一感が出るわけですが、これらのパーツを総称して「フィッティングパーツ」と呼びます。ただチンレストって名前がいまいち陳腐な響きに聞こえる我々日本人の為に、ここでは通称「アゴ当て」で通します。

なお、フィッティングパーツにはやはり一流メーカーというものが存在していて、欧州各国に下記のようなメーカーが、それぞれ手作りのパーツを展開しています。

Gerald Crowson(ジェラルド・クローソン、イギリス)
ストラディバリウスなどのオールドイタリアンやモダンイタリアン作品のそのほとんどはクローソンを選ぶというくらい有名。大変音が良くなるものの、メチャ高いw。ボックスウッドをメインにローズウッド(これはもう輸入不可か・・・)、ブラックウッド等もチョイス可能。
http://www.rodgers-tuning-machines.com/Articles/Crowson.html

Bogaro & Clemente(ボガーロ&クレメンテ、イタリア)
”B&C”の刻印がなされた手作り作品。フェルナンブーコ・ブラックウッド・マダガスカルローズの三種類からチョイスが可能。アゴ当て、ペグ、テールピースのセットで400ユーロ位。
https://www.bcbows.com/en/

 

Les Bois d’Harmonie(レ・ボワ・ダルモニ、フランス)
ホームページには手作りの彫刻が施されたテールピース。もともとバロック調のパーツなんかも作っていたらしい。個人輸入も可能なようだが、価格リストは問い合わせないと不明。
http://www.boisdharmonie.net/en/

Otto Tempel(オットーテンペル、ドイツ)
創業1928年のドイツ老舗。 弦楽器用のフィッティングだけを専門に製作。価格は不明だがアゴ当て、ペグ、テールピースのセットで500ユーロ位。
http://www.tempel-germany.de/e-geschichte.htm

要らんいらんイラン、そんな高いものいらんねーんw。
という方もおられるでしょう。ワタクシもその一人であります。
Gerald Crowsonなんてアゴ当てだけで7~8万円するわけで。だいたい音色を変えたいからチョイスするのではなく「異臭を放つから」換えたいだけなんですってば。

ところでアゴ当てっていろんな形がありますよね。
調べてみると、二種類に大別されるようです。

「ブリッジタイプ(オーバーテールピース)」
テールピースをまたぐ形のアゴ当て。楽器の中央に取り付けられる為、メリットとして金具を絞めすぎることによって、横板が変形することがないというもの(楽器中心部分にブロック材があるので楽器に対して無理な力がかからない)。ブリッジタイプは楽器の中心部分を固定するので元々ブロック材などがあったりして、楽器周辺部分よりは振動し難く、楽器の振動特性はあまり抑制されず、結果、明るい音になる。

グァルネリモデル:ここ最近のモデルはだいたいこれ。

フレッシュモデル:Fleschと書くらしい。テールピースの上にアゴを載せて弾くタイプの人はこれを勧められる。見た目はビミョーだが快適らしい。

「片側留めタイプ」
テールピースの左側に付けるアゴ当て。メリットとしてシンプルで軽い。デメリットは留め金を絞めすぎると横板が変形してしまう恐れがある。音色は、楽器周辺部分の振動を若干抑制するため、音は柔らかめになる場合もある。但し、片側留めタイプは、アゴ当て自体の重量が軽いゆえ、その効果も加味されて(相殺されて)音がそれほど柔らかくはならないと主張する人もいる。

カウフマンモデル:フラットで大きなカップが特徴(たいていこれ)

ヒルモデル:むかしのヴァイオリン(学校楽器とか)についてたやつ

ライプツィヒモデル:円形で小さめのカップ

ドレスデンモデル:テールピース側にまでカップがまたがる

ラージイングリッシュモデル:カウフマンモデルよりもアゴ当てが高い(厚い)

いちおう留め具(金具)も二種類に大別されます。
「ワンピースタイプ」:下側がつながった金具。
「ツーピースタイプ(ヒル脚):音が引き締まり遠鳴りする。

しかも、材によって音まで変わるらしい。
すなわち、軽いアゴ当てはハリのある音、重いアゴ当ては柔らかめの音となることから、材質には、ツゲ(BOXWOOD)、紫檀(ROSEWOOD)、黒檀(EBONY)が有るとすればツゲが一番軽く、黒檀がもっとも重い材料となる(比重が高くなる)。
まぁ、この辺りは各フィッティングパーツのメーカーの腕の見せ所らしい。
というのも、アゴ当ては裏側部分を削ることによって、ビジュアルは同じでも、パーツ単体の重量を軽くすることが出来る、ということは、重いエボニーを使っているからと言って柔らかい音になる、とは限らない、となります。

もうココまで来ると、形状と見た目と実際のフィーリングしかないんじゃないの?ということになりw(=めんどくさくなったとも言う)、ジェラルド・クローソンのコピーモデルでエボニーの産地でもあるインド製アゴ当てに決定!!

値段で決めたんじゃないかってツッコミには応じません。

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