練習をさぼると指先の皮が剥けて痛いんだが・・・なぜ?

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ヴァイオリニストの指先って見たことありますか?

左手は弦を押さえる部分が厚く硬質化(角質化)して、右手は(人に拠りますが)親指上部が厚く硬質化します。
もっと言うと指自体の長さが左右で異なったり、小指が歪んだりしています( ̄ω ̄;)!!

もちろん過去からのフォームや力の入れ具合の蓄積により、各個々人の身体が自然と順応してきた結果なので、別にあらがうつもりでこの記事を書いている訳ではありません。

・・・が、たまーに練習をさぼると指先の皮が剥けて痛くなったりしませんか?
または、そのあと練習を再開すると途端に指先がボロボロになったり、肉の部分に激痛が走ったり。

これって何故なのか?何なんだ?を考えてみました。

1.なぜ硬くなるのか?

女性がハイヒールを一日中履いて脱いだ後のご苦労を男性諸氏はご存知でしょうか?
実は、ハイヒールの靴は、どうしてもつま先に体重がかかりやすくなる(当たり前)うえに、美しく見えるようデザイン的に先がすぼまっており、足が締め付けられる構造です。
それゆえ、足のむくみ、局部的な痛み、また継続的に足裏の前の方に圧力がかかることによる皮膚の硬質化に悩む、とされています。

要はこれですね。「圧力がかかることによる皮膚の硬質化」。

調べてみると、人の皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織で構成されていて、このうちの表皮の一番外側にある角質層は、一定の周期で新しく生まれ変わります。これを「ターンオーバー」と呼んでいます。

例えばカラダの垢(アカ)。あれは古くなった角質層が剥がれ落ちたもの。
古い角質層が剥がれ落ちて、角質層が入れ替わるターンオーバー周期は、カラダの健康状態、個人差もあるでしょうが、28日周期と言われています。
ところが、角質層が乾燥しているとこのターンオーバーがうまくいかず、いつまでも古い角質が表面に残る状態になります。これが、硬質化する理由なのですな。

「アタシ手の乾燥させないように気を遣ってるんだけど・・・」という方もおられるでしょう。とは言え、もともとの身体の構造から手の皮膚って乾燥しやすいつくりなのです。
(手の肌の特徴)
・手のひらには皮脂腺がない。手の甲も顔に比べて皮脂腺が少ない。
・手のひらや指先などは、角層が厚い。

2.じゃあどうするのか?

ポイントは2つ(最終的には3つ)。
1)皮膚を硬質化させない
2)皮膚を剥けさせない
3)それでも剥けちゃったときに

このうち(1)皮膚を硬質化させない、について、指先はヴァイオリニストの勲章みたいなモノなのですが、いちおうマシになる対策はあります。とは言え、必要以上に力を入れない、とかそういう演奏上の技術に支障が出る方策はココでは語りません。

1)皮膚を硬質化させない
・指先が硬くなったらお風呂でモミモミしながら、風呂上がりに保湿クリームを塗る
・それでも治らない場合はかかとの角質層除去ヤスリで軽く削ったのちに保湿クリームを塗る。
※荒療治であり、指先の痛みになれるまで時間がかかる方法ですが硬質化は防げます。

2)皮膚を剥けさせない
実はここで一番言いたいのはココ。
まぁ、剥けさせないというよりは角質部分ごとベロンと剥けさせない、というのが正しい表現。
要はターンオーバーで角質層が生まれ変わるのは当然のこととして、硬質化した部分をキープし続ければよい、ってことになる。
・皮膚の健康状態を保つ。具体的にはターンオーバーが活発になる時間(22時~2時)に食事や運動、飲酒や喫煙を行わない。つまり寝る。
・角質層に必要なのは「水分」で、角質層に不要なのは「油分や汚れ」。化粧水等で水分補給する。
・常に一定のプレッシャーを指先に与え過度なターンオーバーの促進をさせない。つまりヴァイオリンを弾く。

・・・練習をさぼってはイカンということでもありますが、まぁ少しでもフィンガリングでも音階でも、触って押さえること、なのですね。

3)それでも剥けちゃったときに
もうこうなれば、取るべき手段は二つ。
①とにかく皮膚の回復を優先する
②それでもヴァイオリンを弾きたい場合の応急処理
これしかないでしょう。

①とにかく皮膚の回復を優先する
ココではヴァイオリン以上に指先が生命にかかわるロッククライマーの指先処置方法を。
クライマーはシビアなホールドにトライし続けると力は余っているのに指皮が痛くなり、ホールドを保持出来なくなります。こうなるとモチベーションが下がりますし、場合によってはホントに危険な状態になる訳ですな。

・表層で済んだ時:指皮再生クリームを塗る

この固形物は結構硬くて、少し押さえつけてつける必要があります。匂いは粘土みたいな匂いがします。
塗ったあとはサラッとしていて、保湿性は高くない印象。

・真皮層まではがれた時:キズパワーパッドを貼る

指先用。
さすがに真皮層まで剥がれる、ってのはヴァイオリニストではそうそうありません。
自分で剥がない限りね。

②それでもヴァイオリンを弾きたい場合の応急処理
明日本番やねん!どうしてもココさらっておかないと気が済まない!とか人によって事情は異なれど、キズパワーパッドでは指先が邪魔ですし、そもそも楽器が弾けなくなります。
そんな時に指先感覚を出来るだけ失わないで保護する方法はこれ。

・液体絆創膏を使用する

これです。
場合によっては液体絆創膏を塗っているときは激痛すぎて悶絶しますが、そのあとのことを考えれば耐えられるものです。むしろイタ気持ちよくて「意外と自分てMなんだな」って自覚する瞬間が来るかもしれません。

 

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