MULLOVA, Viktoria / ヴィクトリア・ムローヴァ ~ 古楽アプローチを取り入れた開拓者

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ヴィクトリア・ムローヴァ(Viktoria Yurievna Mullova, 1959年11月27日 – )はロシア出身のヴァイオリニスト。
モスクワ近郊ジュコーフスキーの出身。地元の音楽学校を経てモスクワ中央音楽学校に学び、モスクワ音楽院でレオニード・コーガンに師事。1980年にヘルシンキでのシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで、1982年にチャイコフスキー・コンクールで優勝。1983年にフィンランドでの演奏旅行中に、伴奏者のヴァフタング・ジョルダニアと共に亡命を図り、ソ連の所有するストラディヴァリウスをホテルに残して、タクシーに飛び乗り国境を越えたという逸話を持つ。

大きなスケールと筋肉質で武骨ながらも古楽のアプローチも活用しながら虚飾を排していく姿は、師匠であるコーガンの音色に近い飾りっ気のない、素材を楽しむ系の音色。
とはいえ、バロックのみならず、ロマン派の技巧的協奏曲においてもシベリウス、そしてチャイコフスキーコンクール優勝者ならではの見事な演奏が繰り広げられている。

(使用楽器)
1723年製のストラディヴァリウス「ジュールズ・フォーク」

 

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