ELMAN, Mischa / ミッシャ・エルマン ~ 古き良き伝統を継承した甘い音色

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ミハイル・サウロヴィチ・”ミッシャ”・エルマン(Mikhail Saulovich ‘Mischa’ Elman, 1891年1月20日:タリノエ – 1967年4月5日:ニューヨーク)はウクライナ出身のヴァイオリニスト。情熱的な演奏スタイルと美音で有名。

第二次世界大戦後は同門のヤッシャ・ハイフェッツが「ヴァイオリンの帝王」として君臨する中、エルマンは地味ながらも精力的に活動を続け、レナード・バーンスタインなど戦後世代の音楽家とも積極的に共演した。
1967年4月5日、間近に迫ったリサイタルのためにいつものように練習していた最中に突然倒れ、帰らぬ人となった。

イツァーク・パールマンとギドン・クレーメルしか知らなかった昔、「エッチなパールマンと直球勝負のクレーメル」という認識を(弾き方の)持っていたわけだが、パールマンがエッチならエルマンは何なんだ?という程甘く、柔らかく、豊かで情熱的。モノラルラジオから流れてくる珠玉の小品によく似合う音色。それを当時の人々は「エルマントーン」としてもてはやし、一世を風靡した。
レオポルド・アウアー(チャイコンを演奏不可能としてぶった切った巨匠)の門下生。他にジンバリスト・ハイフェッツ・ミルシティンらがいる。ちなみにアウアーはヨーゼフ・ヨアヒム(ブラームスがVnコンチェルトを献呈した親友)の門下生、と脈々と続く名ヴァイオリニストの系列に属する。さらにトリヴィア的だが、ヨアヒムはフェルナンド・ダヴィッドの弟子。ダヴィッドはメンデルスゾーンの親友でありメンコンを献呈された人物である。
へぇへぇへぇ・・・とまではいかないか。
いずれにせよ献呈された大ヴァイオリニスト達直伝の奏法、エッセンスを、気づかないまでもエルマンの演奏の中に感じているはずで、古き良き伝統を偲び、そして思いを馳せるのも悪くない。

【60年近くたってなお色褪せない】VANGUARD CLASSICSレーベルのエルマントーン

てなことで、また次回。

ELMAN, Mischa / ミッシャ・エルマン ~ 古き良き伝統を継承した甘い音色” への2件のコメント

  1. […] 濃厚かつ個性的な節回しで知られたミッシャ・エルマンは、ロシア生まれのアメリカのヴァイオリニスト。エルマンのキャリアは60年を超える長大なもので、レコード売上も200万枚を超えるという人気ぶりでした。長い時間の流れの中ではその芸風にも変化があり、情感たっぷりながら勢いもある若き日の録音から、何か達観したかのような自由自在な晩年の録音まで、「歌」を大切にするというエルマンならではのロマンティックな個性は一貫しながらも、さまざまなアプローチで楽しませてくれます。 […]

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