ジョシュア・ベル(Joshua Bell, 1967年12月9日 – )はアメリカ合衆国のヴァイオリニスト。インディアナ大学の名教師として知られるジョセフ・ギンゴールドの薫陶を受け、14歳で、リッカルド・ムーティ指揮するフィラデルフィア管弦楽団と共演し、1985年にセントルイス交響楽団と共演してカーネギーホールにデビューを果たしている。
甘いルックスからジャケ買いを狙ったCDジャケットが多いが、実際の演奏スタイルは右手首を曲げた独特なボーイングと、汗が飛び散る激しいアクションが印象的。
1980年代後半からデッカの専属ヴァイオリン奏者として録音活動を開始しており、同レーベルの専属のピアニスト、ジャン=イヴ・ティボーデ、オッリ・ムストネンや、指揮者のシャルル・デュトワと共演や録音を行っている。特にムストネンとは、チェリストのスティーヴン・イッサーリスを加えて、ピアノ・トリオでの共演を繰り返したが、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第9番「クロイツェル」のリハーサルの際に、テンポの設定を巡る意見の相違から決別し、現在までその関係は修復されていないという、「あんたらどんだけだよ」なガンコな一面も持つ。
名曲アルバム的なアイドル的プロモーションCDが多く、場合によっては過度なプロデューシングされた録音も中には存在するが、根っこの部分では、昨今のヴァイオリニストによくある、定番の協奏曲や協奏的作品に加えて、ニコラス・モーなどの新作協奏曲を取り上げたり、シューマンなどの、めったに演奏されない協奏曲の再評価にも熱心なタイプであり、1990年代後半になって、アメリカの作品を多く録音したいベルの意向と、経営難で専属アーティストを減らし、また確実に売れるレパートリーのリリースを余儀なくされていたデッカの路線に反発して、ソニー・クラシカルに移籍するなど、これまたガンコな一面を持つ。
(使用楽器)
ストラディヴァリウスの「トム・タイラー」を貸与され後に購入。
なお、その後「トム・タイラー」を手放し、5億円で、1713年製のストラディヴァリウス「ギブソン」を購入している。